2005:07:20
予防介護とパワーリハビリ ~パワリハ実施3ケ月経過報告~
ウマノ整形外科クリニック 馬 野 隆 信 先生
デイサービスセンター うさぎ 前 花 正 幸
デイサービスセンター うさぎ 永 野 龍 二
予防介護とパワーリハビリ ~パワリハ実施3ケ月経過報告~
1.介護保険の現状と問題点
要介護高齢者の急増
2000年4月末 介護保険発足 218万人
2004年12月末 4年9ケ月後 406万人
※約188万人増加 (増加率86%)
2008年 500万人突破?
介護予防が緊急の課題 ⇒ パワーリハビリテーション
小規模・多機能サービス拠点
2.パワーリハビリテーションのついて
パワーリハビリと筋力トレーニングとの違いについての理論的観点・
強度的観点からの説明
パワリハ実施3ケ月経過報告
◎今回の測定対象者 年齢59歳~92歳(男性7名、女性15名 計22名)
要支援 5名 要介護1 13名 要介護2 3名
要介護3 0名 要介護4 1名 要介護5 0名
○開眼片足立ち ~静的バランス能力~
実施前 5.3秒 → 3ケ月後 8.1秒
全体の73%の方がバランス能力の向上が認められました。
起立動作の安定と共にふらつきの防止に効果があります。
○Timed Up & Go ~日常移動能力全般~
実施前 23.2秒 → 3ケ月後 17.4秒
大きく改善され起居動作の改善が認められました。
日常移動能力全般が改善されました。
○2分間足ふみ ~歩行能力・速度~
実施前 149回 → 3ケ月後 195回
有意に増加し、移動能力の改善が認められました。
体力の向上が認められ、歩行時間・歩行距離の両方が良くなりました。
○長座位体屈伸 ~柔軟性~
実施前 3.1cm → 3ケ月後 5.6cm
柔軟性の向上が認められました。
転倒予防において大切な柔軟性が向上されました。
○ファンクショナルリサーチ ~動的バランス能力~
実施前 17.5cm → 3ケ月後 18.0cm
重心を移動する能力の向上が認められました。
荷物を取る、押し扉を開くといった動的バランス能力の向上に結びつき
ました。
○握力 ~全身の静的筋肉との相関~
握力の変化は認められなかった。
マシンでは直接握力強化は行われないが、ハンドルを握る事により、
左手の握力の増加がみられました。
パワリハ アンケートの結果
○パワリハの印象
楽しい:64% 普通:36% 楽しくない:0%
○体調が良くなった
良い:37% 変わらない:59% 悪い:4%
○今後の継続希望
あり:91% 無い:9%
○利用者様の声
楽しみが増えた、希望が出来た、調子が良い、皆頑張っているので
私も頑張りたい、来てよかった、ずっと続けてやりたい。
機能評価のまとめ
○アンケートの結果(主観的評価)では40%の方が体調が良く
なったと感じられていた。
○機能測定の結果(客観的評価)では、概ね70~80%の方に
改善が確認された。
○Timed Up and Go と2分間足踏みにおいて、
移動能力の改善が統計学的に証明された。
○パワリハによって身体状況が悪化された方はいなかった。
○利用者様の表情が明るくなった。
このパワリハの成果だけでなく、利用者様の生き生きとした表情を見る
事が出来たことは、とても大きな励みとなりました。
スタッフ一同、今後も利用者様に「楽しい」と言っていただけるように
努力していき、これからもパワリハを多くの利用者様に提供し、介護予防
・自立支援に貢献できるよう頑張りたいと思っております。
デイサービスセンター うさぎ
パワーリハビリスタッフ一同